林・齊藤事務所

ホーム / 読みもの

家系図を作ってみた|77人調べて戸籍でわかったこと・わからないこと

2026-09-19

自分の家系図を、戸籍をもとに77人まで調べました。わかったのは、生年月日、続柄、土地、そして戦争や病気で早く亡くなった人たちの記録です。わからなかったのは、その人たちがどんな仕事をし、どんな人だったかです。77人のうち、仕事の中身まで書けたのは2人だけでした。戸籍は家族の骨格を教えてくれますが、物語は存命の家族に聞かなければ出てきません。

この記事は、これから家系図を作る方に向けて、作ってみてわかったこと、手が止まった場面、作ったあとに急ぐことを整理します。たどるのは、ご自身の直系のご先祖です。

家系図を作ってみた結果|先祖77人・5世代・3つの系統

戸籍を取り寄せて読み、聞いた話で補いながら整理した結果は次のとおりです。

項目結果
人数77人
関係の線(親子・夫婦)114本
系統父方、母方、母方の祖母の実家の3つ
世代自分を含めて5世代(高祖父母まで)。その上は名前だけ判明
生年がわかるいちばん古い人弘化元年(1844年)生まれ
登場した名字12
区切り2026年4月の時点で一度区切った

家系図には終わりがありません。調べるほど確認したいことが増えるので、日付を決めて「この時点の版」として区切りました。どこまで遡れるかの一般的な目安は家系図はどこまで遡れるかにまとめています。

次に、この77人について戸籍から何がわかったかを見ます。

家系図づくりで戸籍からわかったこと

戸籍からわかるのは、日付と続柄と土地です。読み進めると、次のことが見えてきました。

  • 生年月日・続柄・本籍地の移り変わり。 家がいつ、どこからどこへ移ったかが追える
  • 結婚相手の旧姓と、その両親の名前。 戸籍には配偶者の父母も載る。調べるほど家の数が増え、登場する名字は12になった
  • 戦没の記録。 昭和19年と昭和20年に、20代で戦没した親族が2人いた。亡くなった場所まで書かれている
  • 幼くして亡くなった子の記録。 生後14日から1歳8か月までの4人。戸籍には、こうした短い生涯も1行ずつ残っている
  • 自分自身の記録。 私は自分の出生地を思い込みで覚えていて、戸籍の記載と違っていた

最後の点は小さなことですが、家系図づくりの性質をよく表しています。家族の記憶と戸籍の記載は、ずれていることがあります。

一方で、戸籍をいくら読んでも出てこないものがありました。

家系図を作っても戸籍ではわからないこと|仕事・人柄・暮らし

戸籍ではわからないのは、その人がどう生きたかです。77人のうち、仕事の中身まで記録できたのは2人だけでした。どちらも戸籍からではなく、本人の話や手元の資料からです。

戸籍でわかること戸籍ではわからないこと
氏名、生年月日、没年月日仕事、得意だったこと
父母の名前、続柄人柄、口癖
結婚・養子縁組・転籍の日付どう出会ったか、なぜその土地へ移ったか
本籍地実際にどんな家で、どう暮らしていたか

取得できる戸籍には職業の欄がありません。結婚の日付は載っていても、出会いの経緯は載っていません。家系図を子どもや孫に伝わる形にしたいなら、戸籍とは別に、聞き取りが要ります。この点は最後の節でもう一度扱います。

その前に、戸籍を整理する途中で手が止まった場面を共有します。

先祖の調べ方でつまずいた6つの場面|同名別人・字の違い・年号の欠け

人数が増えると、読む作業より整理する作業で手が止まります。実際に止まった場面と、取った対処は次のとおりです。

場面起きたこと対処
1. 同じ名前の別人同姓同名、または同じ名前の人が3組いた1人ずつ番号を振り、生年月日と父母の名前をセットで記録する
2. 読みが同じで字が違う1字違いの2人が同一人物かどうか、決めきれなかった線はつながず、「同一の可能性」とメモして保留にする
3. 年号が欠けた生年月日記録の年号部分が欠けていた読める部分から仮に置き、「要確認」と書く
4. 聞いた名前と戸籍の字が合わない口頭で聞いた名前の音と、戸籍の字が合わなかった戸籍の字を採り、聞いた音をメモに残す
5. 兄弟関係が確定しない曽祖父の兄弟が誰なのか、本人の記載だけでは決まらなかった曽祖父の兄の戸籍に、曽祖父の娘が「姪」と書かれた1行があり、兄弟と確定できた
6. 日付の意味が違う戦没した親族の日付が、亡くなった日ではなく届出の受付日の可能性があった日付の種類をメモに書き、断定しない

5番は、昔の戸籍の特徴です。戸主を中心に、兄弟とその家族までが1つの戸籍に載っています。直系の戸籍を読むだけで、おじ・おばにあたる人との関係がわかることがあります。

共通する教訓は、わからないことを無理に確定させないことです。「仮置き」「要確認」「同一の可能性」と書いておけば、あとで新しい戸籍が出たときに直せます。古い戸籍の読み方は古い戸籍の見方、読めない字への対処は戸籍が読めないときを参照してください。

整理の次に向き合うことになるのが、記録の扱いです。

家系図で家族が語ってこなかった記録が出てきたときの扱い

戸籍を読むと、家族の会話では語られてこなかった記録が出てくることがあります。再婚、養子縁組、認知、離婚、幼くして亡くなった子。戸籍には、どれも日付とともに淡々と載っています。これはどの家でも起こりえます。

扱いの原則を先に決めておくと、迷いません。

原則内容
調べる前に伝える家系図を作ることを、親やきょうだいに先に話しておく
同意のない事実は共有しない存命の人に関わる記録は、本人の了解なしに他の親族へ見せない
版を分ける自分用の全記録の版と、家族に配る版を分ける
目的の外に使わないたどるのは、ご自身の直系のご先祖に限られる

家系図は、作った人の手元にだけ全体像が集まります。知ってしまった側の責任として、誰に何を見せるかは慎重に決めてください。

記録が増えるほど、管理の方法も効いてきます。

家系図の調べ方を記録で残す|1人1行の表で管理する

人数が増えると、紙の図だけでは修正と検索が追いつかなくなります。私は1人1行の表で管理しました。

表列補足
人物の表番号、氏名、生年月日、没年月日、メモメモには根拠(戸籍で確認・口頭・推定)と「要確認」を書く
関係の表人物の番号2つ、関係の種類種類は「親子」と「夫婦」の2つだけで足りる

関係を「親子」と「夫婦」の2種類に絞ると、兄弟やおじ・おばは表から自動的に導けます。私の場合、77人に対して関係の線は114本でした。表から図にする方法は家系図の作り方で、表計算ソフトやアプリの選び方と合わせて紹介しています。

最後に、作ったあとに何を急ぐかです。

家系図を作ったあとに急ぐこと|存命の家族への聞き取り

家系図を作ったあとに急ぐのは、さらに古い戸籍を探すことではなく、存命の家族に話を聞くことです。

除籍や改製原戸籍にも保存の期限はありますが、150年あります。それより先に尽きるのは、話を聞ける時間のほうです。家系図に名前を入れた77人のうち、いま直接話を聞ける人は限られています。その人たちが覚えていることは、戸籍のどこにも載っていません。

  • 年齢の高い方から順に聞く
  • 1回30分までにして、録音の許可をもらう
  • 家系図を見せながら「この人はどんな人だった?」と聞くと、話が出やすい
  • 聞いた話は、誰から聞いたかと日付を添えて、人物の表のメモに足す

何を聞くかは、家族の物語を子どもに伝える効果で12の質問にまとめました。孫に渡す絵本にする場合の費用は絵本を1冊だけ作る費用にまとめています。

お手元に集まった戸籍を読んで家系図に整理するしごとをしています。できあがるものをご覧ください。

よくある質問

家系図を自分で作ると、費用はいくらかかりますか?

費用の中心は戸籍の手数料です。戸籍謄本は1通450円、除籍謄本と改製原戸籍は1通750円で、直系1系統なら総額5,000円〜1万円強が目安です。内訳は家系図作成の費用相場にまとめています。

家系図は何人くらいまで調べられますか?

家によります。私の場合は3つの系統で77人でした。直系だけでなく、昔の戸籍に一緒に載っている兄弟とその家族を含めると、人数は大きく増えます。

戸籍でどこまで古い人がわかりますか?

私の場合、生年がわかるいちばん古い人は弘化元年(1844年)生まれでした。取得できるいちばん古い戸籍に、当時すでに年配だった人が載っているためです。一般的な目安は家系図はどこまで遡れるかを参照してください。

作った家系図を親族に見せてもよいですか?

見せる範囲を決めてからにしてください。存命の方に関わる記録や、家族の中で語られてこなかった記録が含まれる場合は、配る版から外す方法があります。


まとめ|家系図を作ってみてわかったこと

  • 戸籍で77人・5世代まで調べられた。わかるのは日付、続柄、土地、戦没や早世の記録
  • 仕事や人柄は戸籍ではわからない。77人のうち仕事まで書けたのは2人だけ
  • 同名別人、字の違い、年号の欠けで手が止まる。無理に確定させず「要確認」と書いて進める
  • 語られてこなかった記録の扱いは、調べる前に原則を決めておく
  • 作ったあとに急ぐのは、存命の家族への聞き取り

参考資料


*本記事は筆者自身の直系の家系について調べた記録と、一般的な情報提供です。戸籍をたどるのは、ご自身の直系のご先祖に限られます。*

お手元の戸籍を、読んで整理します

読めない紙が何枚かあるだけでも構いません。どこから手をつけるかをお話しします。初回60分は無料です。