戸籍の旧字体を、いまの字と並べて残す

戸籍の旧字体は、戸籍の字、いまの字、読みの3列で残します。戸籍の字は消しません。
いまの字は、今日の表で使う仮の字です。仮の字だけで、同一人物とは書きません。
この記事は、ご自身の直系のご先祖の戸籍で、いま使う字と違う字形がある人に、3列の残し方を渡します。古い戸籍の見方の全体は古い戸籍の見方・読み方・集め方にあります。手書きが読めないときの全体は、戸籍が読めないときにあります。ここでは3列だけを扱います。
3列にする理由
戸籍法第50条は、子の名には常用平易な文字を用いなければならない、としています。その範囲は、法務省令で定める、ともしています。2026年10月8日に、e-Govの法令データでこの2文を確認しました。
戸籍法施行規則第60条は、その常用平易な文字を、次の3つとしています。同じ日に、条文を確認しました。
| 号 | 範囲 | この記事での扱い |
|---|---|---|
| 一 | 常用漢字表(平成22年内閣告示第2号)に掲げる漢字。括弧書きが添えられているものは、括弧の外に限る | 括弧の内外の一覧は、この記事では写さない |
| 二 | 別表第三に掲げる漢字 | 別表の字の一覧は、この記事では写さない |
| 三 | 片仮名または平仮名。変体仮名は除く | 変体仮名の学び方は、親の記事へ任せる |
この範囲は、子の名に用いる字の話です。古い戸籍に既に書いてある字を、この範囲の字へ書き換える、という規則ではありません。だから、戸籍の字と、今日の表で使う仮の字を、別の列にします。
3列の書き方
| 列 | 書くもの | 書かないもの |
|---|---|---|
| 戸籍の字 | 紙に見える字形。一部しか読めなければ、読めた部分だけ | いまの字で上書きした形 |
| いまの字 | 今日の検索や入力に使う仮の字。仮置きと書く | 戸籍の字を消したあとの結論 |
| 読み | その仮の字の読み。聞こえた音と違えば、両方書く | 父母が同じだという判断 |
一部しか読めない字は、読めた部分だけを戸籍の字の列に残します。読めない部分を、いまの字で補ってから、戸籍の字の列へ入れません。確度は要確認です。
読みが、家族の記憶と違うときは、戸籍の字から付けた読みと、聞いた音を、読みの列に両方書きます。一方を消して、音を一つにしません。
書き方の例
次の3行は、書き方の例です。実在の家族でも、実在の依頼でもありません。常用漢字表の、どの字が括弧の外か、の一覧でもありません。自分の表では、この字を消してから使います。いまの字は、いずれも仮置きです。
| 戸籍の字 | いまの字 | 読み | 確度 |
|---|---|---|---|
| 齋藤 | 斉藤 | さいとう | 要確認。仮置き |
| 渡邊 | 渡辺 | わたなべ | 要確認。仮置き |
| 廣田 | 広田 | ひろた | 要確認。仮置き |
この3行を、法令が定めた対応表としては使いません。いまの字の列は、読み手が仮に置いた字です。置いた日を、行の余白に残します。後から字を直すとき、いつ仮置きしたかが分かります。
渡辺、渡邊、渡邉のように、読みが同じで字が違う例は、親の記事にもあります。この記事では、その説明を繰り返さず、3列に置くことだけを渡します。
同一人物にしない
3列が埋まっただけでは、別人を一つにしません。同一にするには、生年月日と父母が揃う必要があります。揃い方は同じ名前の別人に番号を振る規則です。字を仮の字へ置いたことだけを理由に、線をつなぎません。
図に出す氏名は、戸籍の字を先にします。いまの字は、図の余白に小さく残します。余白の字だけで、人を検索する表を作りません。検索用の表は、3列が残っている人物の表です。
アプリへ入れるときも、戸籍の字の列を消しません。入れる前に残すファイルは、家系図アプリを使う前に、元の表を残すものです。アプリが、仮の字しか受け付けないときは、仮の字を入れ、戸籍の字は手元の表に残します。アプリの中の字を、戸籍の字の代わりにしません。
今週やること
- 直系の一人を選び、戸籍に見える字形を、戸籍の字の列へ写す。
- 今日の入力に使う字を、いまの字の列へ仮置きと書いて置く。戸籍の字は消さない。
- 読みを書き、父母と生年月日が揃うまでは、同一人物と書かない。
集めた紙の読み取りと、図への整理は、できあがるものに書いています。
よくある質問
いまの字が思いつかないときは
いまの字の列は、空欄にします。空欄は、まだ仮置きしていない、という意味です。読みだけを見て、字を一つに決めません。戸籍の字の列は、紙の字形のまま残します。
常用漢字表で、括弧の外の字を調べてから書きますか
この記事のいまの字は、仮置きです。常用漢字表の括弧の内外は、第60条が子の名の範囲として書いています。古い戸籍の字を、その範囲へ直す作業は、この3列ではしません。一覧を写してからでなければ書けない、ということでもありません。
聞いた音と、仮の字の読みが違うときは
両方を、読みの列に書きます。聞いた音の方へ、戸籍の字を直しません。直すのは、別の紙に同じ人の字が見つかったときだけです。そのときも、古い列は消さず、見つかった紙を出所に足します。
まとめ
戸籍の旧字体は、戸籍の字、いまの字、読みの3列で残します。
子の名に用いる常用平易な文字の範囲は、古い戸籍の字を書き換える規則ではありません。
仮の字を置いても、父母と生年月日が揃うまでは、同一人物と書きません。
参考
確認日は2026年10月8日です。常用漢字表の字そのものは、この記事では写していません。
- e-Gov|戸籍法(第50条。子の名には、常用平易な文字を用いなければならない。範囲は法務省令で定める)
- e-Gov|戸籍法施行規則(第60条。常用平易な文字は、常用漢字表(平成22年内閣告示第2号)の括弧の外の漢字、別表第三の漢字、片仮名または平仮名(変体仮名を除く))